1931年、弊社は初のディーゼルエンジンを発売し、土木工事用製品ラインを強化しました。このエンジンは、発売のほぼ直後から(Caterpillar以外の)20社を超えるメーカーにより採用され、パワーショベル、コンプレッサ、その他のタイプの建設機械類に活用されました。
弊社は1935年、成長を続ける市場に乗って、トラクタ以外の用途専用に設計した最初のディーゼルエンジンを発売しました。Caterpillar D17000と名付けたこのエンジンは、鉄道業界、石油業界、船舶業界のありとあらゆる種類の機械に動力を供給しました。1936年、Caterpillarディーゼルエンジンは、イーストピオリア工場の組立てラインから17,000台目のユニットを出荷するという大きな節目を迎えました。エンジンの名前が偶然にもD17000であったのは何とも皮肉なことです。
お客様は長年にわたって、D17000がビジネスにどのように変革をもたらしたかについて数多くの事例を共有してくれています。油田から綿畑、そして河川や海洋に至るまで、D17000は、お客様がCaterpillarに期待する卓越性の基準を打ち立てるのに一役買いました。
インディアナ州エバンズビルのDelta Drilling社は長年にわたるCatのお客様であり、同社の回転式ドリルリグにD17000エンジンで動力を供給していました。Delta社のドリル担当者であるD.S. Bryant氏はこのエンジンについて「今まで使ってきたなかで最も信頼でき、最も満足のいくエンジンであり、修理費用も非常に軽微です」と述べています。Delta社は、柔らかい石灰を掘削する際に、4日で1,900 ftも堀り進めることができました。ドリルでの掘削に加え、Delta社のCat®エンジンはGardner-Denver社の泥水ポンプにも動力を供給しました。
米国南部では綿繰りの時期は忙しく、利益が出るとしても、電源故障に対応したり、さらに悪い事態である時間のかかる修理や調整に費やしたりする時間はありませんでした。D17000はすぐに、コットンベルト全体で愛用される製品になりました。アーカンソー州クローフォーズビルのFarmers Gin社などのCatのお客様は、D17000エンジンは綿繰りシーズンの間中ずっと、最小限の休止時間で作動できると絶賛していました。
お客様のSanGravl Co. Inc.は、テネシー州ジョーンズビル近くのテネシー川で曳船業を営んでいました。同社は所有する曳船のBlancheとJoe Belkに動力を供給するためにCAT D17000エンジンを取り付けました。D17000の性能が発揮され、同社始まって以来始めて真の意味でオールシーズンの操業が実現しました。
テキサス州コーパスクリスティのHeldenfels Bros. 社は、2基のD17000エンジンを使用して過酷な浚渫作業を行っていました。浚渫用ポンプの1つを駆動する、40,000時間もの長期にわたり活躍するD17000は、同社愛用のエンジンの1つとして挙げられました。浚渫チームのリーダーであるL.W. Hunt氏は、「Cat製品を長年使用してきて、今でも新品を購入しています」と語っています。
CAT D17000エンジンは、44トンのディーゼル電気機関車に動力を供給する初のエンジンでした。流線型の旅客列車や超大型の貨物輸送列車と比較して「華やかさ」にはやや欠けますが、44トンのディーゼル電気機関車は、1940年代と1950年代の鉄道発達に向けた先見の明のある計画において重要な要素としての地位を確立しました。構内や支線での作業には、燃料やメンテナンスにかかる費用が低くなり、可用性が高まるという大きなメリットをもたらしました。
こうしたすべての実績を誇るD17000は、20年以上にわたって弊社の製品ラインの主要製品であり続けるという成功を収めました。これが今日、弊社が「BUILT FOR IT」と呼んでいるものです。弊社が収集している歴史的資料の中からさらなるストーリーをお読みいただくには、caterpillar.com/historyをご覧ください。